レストランO では、一杯のグラスに宿る “育まれた時間” と “受け継がれた命” を丁寧にすくい上げ、
料理と響き合うかたちでお客様へ手渡すことを、自らの役割と考えています。

自分の経験の中で辿り着いたのは、日本の風土や季節の移ろい、
造り手たちの静かな情熱と誠実な営みにこそ、飲み物の本質が宿るという確信だった。
それはワインだけに限らず、日本酒や発酵茶といった飲みものにも共通する、命と時間の積層です。

日本の風土に根ざした日本酒、そして世界に評価される日本人醸造家のワインを中心に、
静かに心に残るようなドリンクリストを構成。
それぞれの一杯が、記憶にやさしく残る体験となるように──
自然、作り手、そしてお客様の“あいだ”をつなぐ存在でありたいと願っています。

レストランO では、その “見えないもの” に丁寧に耳を澄まし、
料理と呼応しながら、記憶に残る一杯としてお客様のもとへ届ける。
ドリンクという枠を超えて、人・自然・食をつなぐ、静かな媒介者としての役割を担っていきたいと思います。

そして今、ソムリエとしてだけでなく、サービスの総責任者として、
お客様に届く空気、所作、声の温度、そのすべてが O の世界観と調和していることを何よりも大切にしています。

グラスの中の静かな物語と、料理・空間全体の余韻が、違和感なくひとつの円を描くように。
その体験の中心に立ち、スタッフと共に “命の記憶を残す場所” をつくりあげていきます。